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覆面作家企画3 Cブロック

2007年09月21日 23:42

ネタバレしまくりですので注意。

C-01  ワタシはソラがダイキライだ

冒頭から、キャラクターの魅力を一気に見せられて、書き手さんの巧さに唸りました。
こういう人、好きだー、と思いながら読み進めてみると、その重さにやられた感じがします。
黒いなー、と。破滅に向かっていく感じが恐ろしい。

後半は何回も読み返しました。でも、コメントは難しい。
一度読み終わってから冒頭を読み返すと、ソラの印象が随分変わりました。
こういうキャラクターを作れるというのは凄いですね。色々引きずられました。

9月26日追記。

やっぱり色々引きずられるところがあって、また読み直してみました。
コンパクトに感想をまとめようと思っていたので、ここから以下は書くかどうかしばらく前から悩んでいたことです。

ソラは影になってしまった父親をあっさりと殺したわけですが、そこに躊躇いも何もないということが怖いです。
これが、作品内で書かれていた『オトナとコドモで真っ二つに分断された』部分なのかもしれないと思いました。

影となってしまった父親は「タスケテクレ」と命乞いをするわけですが、それはとても『人間らしい』。
人間って心の中には悪いところも良いところも持っているものですよね。
自分の子供に憎まれるような存在だった父親にだって(ソラにああいう扱いをされるんだから、過去に色々あったのだろうと推測します)、『死にたくない』と渇望する人間性が含まれています。

しかし、ソラには人間性が欠如しているとしか思えない言動と行動があります。
多分、『オトナ』には理解できない『コドモ』という存在なのだろうな、と。
最後の最後までソラは自分のやったことに何の感慨もないし、父親殺しには何の意味もないといった感じです。
何というか、現代の子供たちの今を繁栄しているキャラクターなのかもしれない。
親子関係の希薄。そこから生まれるものとは何なのだろう、と考えさせられました。

読後感はあまり良くないのですが、色々考えさせられた作品でした。

ただちょっとだけ、実は影が生まれてもその核となった人間はどこかで生きていてくれればいいな、と甘い考えも抱きました。影に取り込まれるだけではなく、大きくなりすぎた影だけが独立してくれていれば、と。
そうすれば、ソラがあの影を殺しても、何の葛藤も抱くはずがないのですから。



C-02  空色の爪。あるいはおとぎの国のゴスロリ探偵。

これは面白い! ミステリを読み慣れていて、書き慣れているかただろうと予想します。
ブラックなおとぎの国のミステリ。名探偵兼魔女のキャラクターは素晴らしいし、宇佐見さんも素敵。
おとぎの国に発生した事件と、それにかかわる生々しいモノ。
読み終わって素直に唸らせていただきました。


C-03  きみは空色

複雑な家族関係ですね。
アオがあの空を見て何か感じたことによって、これからの父親との関係が好転するといいなあ、とか思います。
何て言うか、お父さんがあまりにもかわいそうで。
でも、あのお母さんと別れたのは正解かもしれない。結婚したままだと、色々苦しんだだろうな、と。
本当、家族って難しい。


C-04  一人法師

ああ、良い話を読ませていただきました。
読み終わってじんわりくる作品でした。何というか、これでシリーズ物をやってもよさそうな感じがします。
法師さまの他の話が読んでみたいですね。
それに、丁寧に書かれた文章がとても好みです。満足ー!


C-05  真夏の昼の夢

ツバサ君の素直なかわいらしさがいいですね! 少年らしい視線で見つめた『世界の一端』。
ツバサ視点なので穏やかに書かれてはいるものの、その実はシビアというか何というか。
人間とアニーたちとの共存というのは難しいというか、不可能に近いとは思うのですが、それでももしかしたら、と願ってしまいますね。

行頭を下げず。むむ、この癖から何となくK.Sさんっぽいかな、と。


C-06  ルシフェルの系譜

一読してこれがtomoyaさんの作品かな、と思いました。勘ですが。

情報量がすごく多いのですが、それを単なる情報としてではなく、小説の文章として読ませる筆力を持っています。
読み飛ばしをさせない文章、というのか何というのか。
抗HIV薬のことや治療のことなど、私は知らない分野のことでしたが、とても興味深く読ませていただきました。
横流しとかは悪いことだとは知りつつも、何とか丸く収まって欲しい! と願っていたらあのラスト。ほっとしました。いや、心の中には色々な矛盾とか葛藤とかあるんですが、でも、ね。

関係ないですが。
テロテロと歩く探偵の様子を想像してニヤリとしました。こういうキャラクターは好きです。実際にいそうで、その分、魅力的。


C-07  心の形(※注意)

悲しい話ですね。心がなくなってしまったというか、空っぽになってしまったというか。
悲しいかな、心が空っぽの少年による一人称だからでしょうか、淡々としすぎていて彼の心情が伝わりにくいような気がします。感情移入しにくいかなあ。
しかし文章は安定していて読みやすく、『読ませる筆力』を持っていらっしゃいます。


C-08  ロクシュリ〈空狩〉

おお、正統派ファンタジーといった感じ!
舞台設定が素晴らしい。細かいところまで綿密に考えられている感じがします。
あまり擬音とかに慣れていないせいか、最初からちょっとびっくりしてしまったのですが、それはそれ、面白かったです。
いい感じに盛り上げたところで締める。これが心憎い!


C-09  うつせみ

ああ、これは凄い。圧倒的です。惚れました。ぜひ、作者さんが知りたい。
Cブロックのうちの誰かがこの作品を……。誰だー!
感想とか言ってる場合じゃありません。惚れました。


C-10  デウス・エクス・マキナ ―箱庭のびいだま―

とにかくキャラクターが魅力的です。ぶっきらぼうな師匠と、『莫迦』弟子との関係が素敵。
まあ、アレですよ。師匠と弟子という関係は大好物なので、好みのど真ん中にがつんときました。いいなあ、これ。
とにかく、主人公がかわいい。


C-11  空の果てから

小説というよりも詩か散文のような気がしました。
ところどころ、気になる単語は出てくるものの、うーん、コメントは難しい。
文体も覆面企画に合わせたフェイクかも?



と、とりあえずここまで。
Cブロックには好みの作品がたくさんあったので、読んでいて楽しかったです。
で、やっぱり読み終わった後の感想として、tomoyaさんはアレしかないな、と思ったり。

それに、色々勉強になりました。ありがとうございました。


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